ガーベラ、デルフィニューム、かすみ草、カーネーション・・・
それと庭で満開を迎えた梅の花・・・
色とりどりの花に包まれたぎーちゃんは
まるで静かに眠っているかのようでした
まだ春も浅い3月始め
ウチの家族として生活を共にしてきた猫のぎーちゃんが
11歳の誕生日を前に天国に旅立って行きました
数年前
感染症(不治の病)にかかっていることがわかり
長生きはできないと言われていました
そしてここ2年の間に手術を2回
あとは毎月数回の点滴と注射
年が明けてからは流動食を飲むことで
何とか命をつないでくれていました
どうか苦しまずに旅立ってくれるようにと
そのことだけを祈りながら
日々過ごしていたさなか
最期の日はあっけなく突然にやって来ました
苦しまずに逝ってくれたことには胸をなでおろしましたが・・・
家に閉じ込められ
大好きだった散歩にも行けなくなり
たびたび痛い思いを強いられ
果たしてぎーちゃんは幸せだったんだろうかと
その日からしばらくは
そんな思いばかりがグルグルと頭の中をかけめぐり
メソメソしながら気力のない日常を過ごしていました
2週間ほど経ったある日
ふと目に止まったのが
NHKで放映されている「プロフェッショナル」という番組
「どんなときでも、命は輝く」というタイトルの中で
訪問看護師 秋山正子さんは
『死と直面している人と接するときには
目の前の現実と向き合い
共に喜びを見つけることが大切
そして日々の暮らしの中で
衰えていく中にも「輝くこと」はたくさんあり
その「最期の命の輝き」を見出すことで
本人も周りの家族もその時点での幸せを実感できる』
と、優しい言葉でしみじみと話しておられました
そのときハッと思い出したのが
ぎーちゃんが亡くなる前日のことでした
だっこされるのを嫌い
スリスリもすることのなかったぎーちゃんが
甘えるときにするしぐさ
私の頬に自分の手でそーっと触れ
とても穏やかな微笑んだような表情で
「にゃ・・にゃ・・」と
何か語りかけてきたのです
そのときは
「どうしたの?」と言いながら
わけもわからず見過ごしていましたが
今思えば
「いっぱいいっぱい愛してくれてありがとう
もうすぐお別れしなきゃいけなくなったけど
ボクはとても幸せだったから
どうか悲しまないで・・・」
ぎーちゃんはきっとそう言いたかったんだ
精一杯の「お別れのあいさつ」がしたかったんだ
あのときこそが
ぎーちゃんが「最期に輝いたとき」だったんだ!
そう思ったとき
重くのしかかっていたものがどこかにスコーンと飛んで行ったようで
本当に心が救われた気がして
涙が止めどなく流れました
あれから約1カ月が経ち
気持ちもずいぶん落ち着いて
手を伸ばせばそこにあったぬくもりがなくなったことに
時々淋しさは感じながらも
病気と闘いながらも
最期まで小さないのちを輝かせ
キラキラした瞳で逝ったぎーちゃんに
恥ずかしくないように
私も頑張らなくちゃ
なんて思えるようになりました
天国にいる大好きだった
ばぢと出会って
一緒に春の野原を散歩したりしてるといいな
なんて・・・
春 到来!